10/01/2014

恋はハワイの風に乗って 17


ホテルの直ぐそこにローソンがあるって、ワイキキって凄いなって思う。昔大阪に住んでいたとき、マンションの隣にコンビニがあったけれど、まるで巨大な冷蔵庫を階下に持ってるような感じでとても便利だったことを思いだした。

適当におにぎりやおつまみを購入してペントハウスに出向く。多分、ホテルのペントハウスに出向くのは人生初めてのことだと思う。まだろくに人が集まってなくて、おかま君がキッチンでカルボナーラを作っていた。薔薇さんはユニクロに着替えてリラックスしていたし、全開にした窓からの夜景が恐ろしく美しいマスターベッドルームではやりこが息子を寝かしつけていて、もうひとつのベッドルームではぬりこがトドのように眠っていた。

キッチンカウンターも広かったし、ダイニングテーブルの他リビングファニチャーがツーセットもあるその空間は、私たちの人数には贅沢過ぎるほどだった。

やっさんがいなかったのでテキストしたら、近くのバーでフィリピン人の女子とビリヤードをやってると言ってセクシーな若い娘の写真を送って来た。ようちゃんは、追っかけ日本から到着した女子二人とアラモアナに買い物にでかけているとのことで、みんな各自思いのままに行動しているようだった。




そのうちお洒落をした二人の女子がやってきた。結婚式でやたらおかま君に興味を持って接近してきた『盛り顔』と『あっさり顔』の日本人女性だった。あっさり顔の女は20代後半のハンサムウーマンだけれど、盛り顔の女は30代後半のくせやたら可愛い色気のある声でしゃべる。はんこの仕事関係の友人らしい。『盛り顔』はどことなくクロウトっぽい感じがして、ほじくってみたら西麻布に住んでいるとあるビジネスウーマンだと言っていた。以前美川憲一が向かいに住んでいたと言う。カウンターの薔薇さんの両隣りに座らせ、おかま君と私がキッチン側に立ってエロ話に花を咲かせていたら「いや〜ん、おかまバーに遊びに来たみたい!」と盛り顔が異常に興奮してはんこに喜びの報告を入れていた。はんこも最初は登場の予定だったけれど、花婿に外出禁止を言い渡され、やむなく断念するとのことだった。

薔薇は美女を両手にしても一言も言葉を発しない。ただそこにいるだけだ。それで、無理矢理二人に薔薇を接待させる。「年増のくせにぶりっこしてんじゃないわよ」とカウンターから辛口のヤジを飛ばせば、Mっ気満天で更に喜ぶ盛り顔。「ビジネスで枕営業しているだろう」とか「薔薇さんを相手に営業のデモをしてみなさい」とか言えば、恥ずかしがらずに即行動に移すなかなかのやり手だ。

おかま君が「盛りマンコンテストよ!」と言って、私と盛り顔が下半身をつっぱらせて恥骨の高さを誇示しあった。私は恥骨の位置が高いので綺麗な丘ができる。子犬君はそれを慈しんだ。

「このヲンナ〜、閉じマンの切れマンなのよ。でも、やりまんのあげまんなの」
「そうよ〜、あげまんの美マンよ。私のマンは綺麗だって評判よ!」

そう、訳の解らないおかま君の言葉を私が見事に打ち返す。

「誰が言ったのよ? なぜ美マンだって解るのよ?」
「男も女もみんな言うからそうなのよ!」

そう切り返したら、あっさり顔が目を丸くして声をあげた。

「いや、本当に美マンとそうじゃないのってあるんですよ。私、あそこのワックスするのが仕事なんで毎日沢山のマンを見てるんですけれど、時々『え、これ、どこがどうなってるの?』って解んないくらいぐじゃぐじゃしてるのもあるんです。驚きますよ」

そう、いきなりのキョーレツ発言で盛り上がった。

そういえば、昔ヒップなヘイズバレーのインテリアショップの棚に置いてあった画集を取り上げてパラってみたら、それが女性の性器の拡大写真集なので驚いたことを思い出した。小さな本だったけれど、見開きに二つずつ永遠とマンの写真が一冊に詰まっていた。様々な色と形で本当に感心したものだ。

「大きさだって様々ですし… やっぱり小ぶりの方が可愛いですよね」

そうあっさり顔が言う。

そうだ。80年代私が初めてサンフランシスコのジムでサウナに入った時、タオルで隠すこともしない太った白人女性が私の目の前に立て膝で横たわっていて、そのサイズと形にショックを受けたものだった。アメリカの手のひらサイズのアワビよりはムール貝の方が、やっぱりぷっくり可愛い

ゲイのKちゃんとNYに遊びにいったときは『Naked Boys Singing!』っていうショーで、素っ裸な男たちのチンを見たけれど、本当に様々なんだわ、って変に感動したのを覚えている。そのことの記事でも書いたけれど、何故『性器』が隠さなければならないものなのかが不思議に思えるくらいだった。

隠すから見たくなる。あけっぴろげにやられたら萎える、っていうのもあるだろう。恥じるから可愛い、っていうのもある。多くの日本人男性はそこに『色気』を発見しているのだとも思う。

私たちが小学生のときは、体育の授業の着替えを教室でやっていた。多分更衣室というものを使うのは中学生になってからじゃないだろうか。上着の中でくねくね身体をよじらせたり、スカートを利用して体操着のパンツの履き替えをしたりした。そんな中、あっさり服を脱ぎ、ズボンを下し、さっぱりと着替えている色気のない女子がいたけれど「それのどこが悪いんだ。恥ずかしいことではない」と言い切った彼女に凄いなと思わされた。多分にそこに帰国子女がいたとしたら同様なことを言うと思う。『羞恥』の概念が違うのだ。




私たちは毎月訪れる生理に悩まされながら、でも、実際にどれだけ自分たちの身体を把握していることだろう。実際に自分の性器を鏡で見て、どんな『顔』を持っているか知っている人はどれだけいるだろうか。そして、その中がどうなっているか、実際の指で確認している人がどれだけいるだろう。男にそれをさせるとして、自分はしない、できないというのはどういうことか。

セックスをしない若者が増えているということを見聞きしてから久しくなる。でも、セックスをすることがどれだけ健康に影響を与えるかということを彼らは実感していない。定期的に安全なセックスをし、子供を産むことが女性の身体にとって一番自然なことなのだろうなと、この歳になってから痛感する。『健やか』という言葉に沿って生活できるよう、『性器』とその奥の『生殖器』に対する意識はもっと高まっても良い筈だろうに、どれだけの女子がその無知ゆえに毎月激しい生理痛やムードスイングの中で苦しんでいる事だろう。

というところで、素敵な『性教育のおはなし』というウェブサイトをみつけた。是非、自分がどこまで正しい知識を得ているかを、ここを見て認識してもいいと思う。




そんな話をしていたら、やっさんがビリヤードから戻って来て二人の綺麗どころを発見してでれでれし、やりことその息子やぬりこがベッドルームから起きだして来た。ようちゃんと日本から到着組の二人はアラモアナのショッピングから興奮して戻って来て、いきなりペントハウスは賑やかになった。がらんとしていたリビングのファニチャーも、人々で埋まって温かい空間を作った。そのうち、連れ立って酒を買いに煙草を吸いにと出入りは激しくなり、私はいつしかオアフ在住10年選手と島に移住する疑問などをこんこんと語っていた。考えるところは沢山ある。

そんな風にワイキキホテルのペントハウスの夜は更けていく。明日はカハラのゴルフクラブでの大きなレセプションを伴った、はんこの本番の結婚式だ。





ペントハウスの内部


薔薇と盛り顔の女




1 件のコメント:

  1. ディオゲネス2014年10月1日 16:36

    小中学校の体操着って、ブルマだったんですかw
    ブルマって、なんで黒いパンツ履かされてんだろって
    思いましたね
     いましたよ、小学校の時、女の子で一人だけ
    堂々と皆の前でブルマ脱いでパンツ丸出しで着替えていた子が
    とても気さくな子で素敵な子でした、今、千葉で家業のケーキ屋の店員
    していて時々、ケーキ買いに行くの楽しみなんです。

    手のひらサイズのアワビ怖いww
    私もムール貝がいいですよw
    男性は女性のお尻、足、顔に欲情するんじゃないでしょうかww

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