3/28/2014

『いまここ』の悟り


最近つくずく思うのは、自分の嗜好、欲求、望みなどは本当に当てにならないということ。柔軟さというのは持ちえているとは思うけれど、若い頃から『信念』というのは強くあったように思えるし、認めたくはなかったけれどそれゆえに『頑固』とも言われたこともある。強い『欲』があるからこそ目標は定められたし、それを手に入れたいという『情熱』もあった。でも、ここ数年の間に『自分の中の常識』や『そうであると信じていた自己』がことごとくくつがえされる事件や気づきがあったりして、それを経験してきた今現在、自分の発する思考や言葉の信憑性はかなり薄れてしまう。それを『自分が信じられない』と言うのはとても語弊があると思うのだけれど、多分に『常に変化する自身を受け入れている』というのが、今の心境にぴったりの言葉だと思う

だから断定的な言い方をする人の言葉にある一種の若さを感じたり、または発展途上のような感覚を覚えるというのも、最近の新しい感覚かもしれない。更に夫に限っては、こちこちの頑固さに『退行』を強く感じさせられる。それはもう理屈で説明し理解させるレベルではないし、そういう他人の言葉や意見に何を言い返す私でもない。なんとなくそんなところにこだわらずに『聞いてるだけ』という反応をするだけになった自身の変化にも気づいている。自分の意見がないわけではなく『それぞれの宇宙』を大いに尊重している。そして相手に理解してもらいたいとか欲求もだんだんと減って行く。そういう欲求を持つ前に理解してくれている、同意してくれている人々が周りにいるので安心していられる自分なのだと思う。あえて言えば夫だけが、その葛藤や摩擦の中で不自然なくらいに相容れないエネルギーが近くに存在しているというだけ。数年どうにかして関係の修繕を勤めてきた私も彼の不機嫌さを和らげることはできなかったし、恨みつらみをぬきにして『自然現象』としてその別離を受け入れることになりつつある。




去年の秋頃は現在のこんな展開をこれっぽっちも予想していなかった。友人が日本に一時帰国をして美味しいもの食べ尽くし、楽しいことやり尽くしの写真をFacebookにアップしているのを見ても特に呼び起こされる感情もなく、日本にこれっぽっちも帰国したいとか思わなかった。もちろん、自分がそうしたければそうできる時間や経済的な自由を持ち合わせていても、にかかわらずだ。年老いた母親の状態を考えれば、そろそろゆっくりと時間をかけて実家に滞在する機会をつくるべきだと思っていても、面倒な気持ちが先に立って、多分に今年の秋くらいには帰らないとまずいだろう、くらいの気持ちでいた。

それが急に春に帰ろうと急に思い立ったのは、自分がまだ今年『大殺界』にいることを知ったから。やっと『天中殺』が終ってほっとしていたにもかかわらず、大殺界が終ってほっとしている友人を知って自分も調べてみれば、私にはまだ後一年残っているそれに気づいた。細木女史が先祖供養を強く訴えていることを知って父親の墓参りの必然さを感じたのは、夫と離婚問題が勃発して、それこそ苦しいときの先祖頼みで亡くなった父を味方につけようという小賢しい考えに他ならない。でも、大殺界なんて今まで信じたこともなかったし、本屋に並ぶ彼女の占い本を人生一度として気にしたこともない私だった。


彼岸の中日に父の墓参りに行った。今回の一番の目的を果たしたような気持ちを得た。毎月墓参りに行ってくれている義兄のお陰で、父の墓は周りのどれよりも整然として美しかった。鎌を持参していたので何かなと思ったら、長女姉が砂利の中に生えて来ている雑草の根をほじって除去していた。父の墓が美しいオーラを放っているのはそういう理由なのだと納得する。家の仏壇も絶え間なく花が生けられ、毎朝家族のひとりひとりが、訪れる姪が、線香をあげて父に祈る。ごちゃごちゃ小さな物がいろいろ飾られてるけれど、こまめに掃除する母のおかげで家の中はとても清潔でよいエネルギーが満ちていて、あぁ、この家は守られているな、と実感する。おまけに飼い猫のあずきは家族から一番よいエネルギーを引き出す天使の役目を果たしている。家の中には本当に良いエネルギーが循環している。





ボランティアのコミットメントをキャンセルし、既に購入してしまった4月発のフライトチケットに変更料金500ドルを追加してでも帰国を早めたくらい、心身共に健康状態は酷く悪かった。実家に戻っても、夫のことや今後のことを考えるとパニックアタックを覚えていたし、毎朝の動悸やしびれ感も随分続いていた。このまま負のスパイラルに巻き込まれていく一方ではないかという不安や、一時は本当にやばいと思っていた激やせも、家族の愛情ある生活の中で癒され、一週間でめきめきと体重を取り戻し、二週間を過ぎた今現在は顔もすっかり丸くなり今までにない穏やかな幸福感を実感している。冬はあんなに辛かったけれど、彼岸を過ぎて私の世界は急に変わった。アメリカに居た当時の辛さをもう体感で思い出すこともできないし、離婚問題もまったくとして現実感がない。思えばあれは『感情のデトックス』だったのではないのかと思えるくらいだ。

4、5年前までなんだってあんなにしかめっ面をしているんだろうと言われていた母は、「幸せだよぉ」と毎日充実した忙しい日々を送っている。更年期鬱に悩まされていた長女姉は毎日信じられないくらい良く旦那さんや母と会話をしているし、飼い猫のあずきに対してこちらが恥ずかしくなるくらいの甘いすっとんきょうな声を年中張り上げている。決してグルメな実家ではないけれど、全ての手料理は懐かしい味で『みんなで一緒に食べる食事』に、私はこのうえない幸福感を覚えさせられる。退屈な人々が住む実家のあるこの街に住みたいなど生涯感じたことはなかったけれど、プレッシャーのないこの土地の『普通さ』がやけに新鮮で、私の中で『この土地に戻り家族の近くに住む』というのはかなり可能性のある未来のオプションにさえ変化しているという事実に不覚にも驚愕する思いだ。




先日甥が幼少期の親の育て方の不満と彼自身の不幸さを訴えたけれど、それを一笑にふした私がいた。彼の言葉がまったくとして自身のそれと一緒だったから。私自身も母親に対する恨みつらみを抱えて自身を不幸だと思って30代の終わりまで過ごしてきた。そしてその影響で子供を産み母になることさえ拒否した人生だった。

「私は子供を産まないことが生きてるうちにできる最善のことだと思っていたのよ。だって知ってることしか伝えられないじゃない?確かに『ばぁ』もあなたの『かぁ』も子育ては下手だったのは認めるわ。でもね、考えて見なさいよ。私は過去にいろいろあったけれど、今はこういう人間だし、あなただってそれなりの成人になって、ばぁとかぁと親父をドライブに連れ出し昼食をごちそうし日帰り温泉に招待するような旅行に連れ出すような親孝行のいい息子になってるじゃない?あなたのかぁだってばぁにとんでもない仕打ちをされたような人生であっても、ばぁが手放しで幸せだと言える老後を過ごせる同居娘でいるじゃない。まったく不公平だわとか思うけれど、でも、子供って親の育て方にかかわらず、それなりに自分で学んで人生築いていくんだっていうことが解ったのよ」

『自業自得』の言葉さえも当てはまらないかもしれない、そう笑って言うと、それで甥自身も『生い立ちは言い訳にならない』ということに凄く納得したようだった。




私より一足さきに日本帰国をしてきたダンス仲間が「日本に居るのも2週間でちょうどいいという感じかな。それ以上はちょっと辛いかもしれない。でも、思えば前に4ヶ月滞在したことあったのよね。2週間を過ぎて更に長い間いると、慣れて日本も悪くないかもしれないって思うのだけれど」と言っていたけれど、私の今回の帰国結果もまったくとして予測不能である。先のことなんて本当に解らないし、自分の思考さえあてにならないから人生計画も立てられない。それだからこそ、確かに信じられるのは『今自分は何を感じてるか』でしかないし、過去にも未来にも思考を合わせることがナンセンスに感じられるようにやっとなった。これこそ『いまここ』の悟りなのかもしれない。




6 件のコメント:

  1. こんにちわ
    私は算命学を使ってカウセリングをしていますが、大殺界とは算命学で言えば一生の中で
    20年訪れる大運天中殺でしょうか!?
    むやみに恐れる事はないと思いますが、人として先祖供養は大切ですね~

    私は東京に住んでいますので大阪のオフ会には伺えませんが、是非雅さんとは
    いつかお会いした気持ちでいっぱいです!

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    1. 私も天中殺と大殺界の違いが解らず調べてみたのですが、大殺界は細木女史の独自のものらしいです。今まで気にした事はなかったけれど日本では凄い人気ですよね。天中殺と大殺界は重なる傾向があるようです。天中殺と違って大殺界は3年間。私はあと一年残っているのです。
      大殺界のときには離婚をすることが多いとあって、おぉっと驚かされました。

      とりあえず、このおかげで実家に素直に戻り家族と一緒に過ごす毎日で、数々の気づきを得ています。

      今回の帰国では状況がむずかしかったのと、大阪でお世話になったママのお店に人を呼びたかったので、気軽にできる大阪のみのオフ会となりました。ごめんなさい〜。

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  2. 雅さん こんにちわ アメブロのときからファンです。私の旦那と娘も今年まで大殺界。去年から私たちも離婚のプロセスにはいっています。娘と旦那の間が険悪になり娘も2度ほど病院に high risk of self harm の状態でお世話になりました。今少し落ち着いてきたところに 私の父親ががんになり 私はオーストラリアから予定が未定で帰国することに。 占いにはまる人ではないのですが 大殺界のときにはやはり物事がうまくいかなくてもそんなもんだと思えば悩まなくてすむのではと。 わたしの周りの大殺界の人にふりまわされております。 雅さんとうっすらとかさなるところもあるので ひとごとではありません。幸い健康なので助かってます。これから更年期のアラフィフです。 お元気になられてきてよかったです。

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    1. わぁ、家族みんなが大殺界ですか!それはお互いの関わりも凄い物になりそうですね。娘さんの精神的健康が心配ですが、今距離を置いているならきっと落ち着いてくると思います。穏やかにお過ごし下さい。御陰さまで私はアメリカにいたときとは全く変わって、とても元気に幸せな毎日を過ごしています。

      このコメントを読んでふと思ったのですが、ウチの夫ももしかして大殺界だったりして?!

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  3. 雅さん、アメブロからずっと拝読させていただいていました。ただ、私事で少し目を離してしまった(^^;)間にオフ会をされていたのですね、残念です。以前のブログで数回コメントをさせて頂いたのですが、今のブログからは初めてです。(雅さんのブログ記事を見て京都の四条大宮にシロダーラを受けに行きましたよ!最高でした!)
    前置きが長くなりましたが、『生い立ちは言い訳にならない』の言葉に強く頷いています。私も子供の事、親の事、ホントにたくさん学び考えさせられた数年間でした。自分でさまよい逃げる道はなんぼでもあるんですが、そこに行きたいか?いたいのか?と問うと、それは嫌。でも、抜けるのにパワーが無い時もありました。落ち込んだり、そのままとどまったり、でした。その中で痛切に感じたのが「私は自分自身を知らない」事でした。で、少しずつ、浮上中。
    雅さんの新しいブログ、これからも拝見させていただきます♪

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    1. こんにちは。オフ会、ニアミスでしたか!オフ会にも茜さんのところでシロダーラを受けたという人がいました。とっても嬉しかったです。

      私たちは自分自身を知りませんね〜。そうかなと思ってたところが勘違いだったり。もしかしたら死ぬ間際まで知らずに終ってしまう人も多いんじゃないのかしら?そしたら、また輪廻で3次元に戻って来るんでしょうね、きっと。

      浮上中でなにより!私もすっかり浮かびました。これからアメリカでどうなるかは解らないけれど、日本の家族と一緒に愛情溢れる日々を過ごせたことに満足です。

      新しいブログは、文章が長いですが(^^;)、ときおりいらっしゃってくださるとありがたいです。今後も宜しくお願いしますね。

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