4/12/2014

秋葉原メイドカフェ初体験



前回上京したときは渋谷と自由が丘の顔を見たけれど、銀座に滞在した今回足を伸ばしたのは赤坂と秋葉原と浅草のみ。なんでアキバ?と思われるかもしれないけれど、ダンカンダンスのワークショップが行なわれるスタジオは秋葉原駅前にある。昔の秋葉原といったら電気街というイメージだけれど、今はすっかりアトレのファッションビルを始め『AKBカフェ』と『ガンダムカフェ』そして、あちこちのビルの壁には『萌え系』の少女のアニメが大きく描かれている『アキバ系』という文化の街になった。数年前に日本のワークショップをとりに行った時には、あまり周りを徘徊することもなかったけれど、今回は少し早めに行って是非『メイドカフェ』を覗いてみようという気になった。

駅前広場にはミニスカートとルーズソックスの4人組の少女たちが、なにやら宣伝のためにビラ配りをし、オタク系青年達がその可愛い彼女達と写真を撮りたがっている風景も、いかにもアキバらしくて微笑ましかった。街を歩いていても、日本語以外の言葉が多く聞こえるインターナショナル色が濃い場所は、私にとっては比較的居心地が良い感じがする。

スタジオから一番近いメイドカフェ『@ほ~むカフェ』を目指した。小さなビル内の何階もがメイドカフェになっていて、とりあえず小さなエレベーターに乗り込んだらとても姿勢の悪い極めてそれ系の若い男性と一緒になった。入り口で待つことしばし。先ほどの青年が『ご主人様認定証』を提示し、私はお初の来店だと告げると来店時の注意事項の同意書を読まされた。モンダイが起きないように、撮影禁止を始めいろいろな制約があるらしい。


 @ほ〜むカフェの入り口




「お嬢様のお帰りです~~~~!!!!」という声と共に、店内に案内される。ボックス席のような店内を想像していたから、ステージを眺めるカウンター席に案内された時にはちょっと意外な感じがした。メイドの女の子はきゃり~ぱみゅぱみゅみたいな今時の女子ばかりでとにかくユニフォームが可愛い。今現在存在してるのかどうか解らないけれど、80年代の原宿には『アンナミラーズ』という似たような胸元を強調したエプロンミニスカートが有名なパイ屋さんがあったことを思い出した。あの頃は『萌え』という感覚はなく、真面目な接客であくまでもユニフォームは密かな人気だった。

メイドさんと記念撮影や、席で直接話ができる機会を持てるゲームのセットメニューがあるけれど、とりあえず600円の入場料を取られることだし単品のドリンクを頼むだけにする。女子の客も結構いるし外国人観光客もいたけれど、とりあえず7割近くはアキバ系と呼ばれる類いの青年なのだろうな。私はもう嬉しいやら可笑しいやら、店内で何が起こっているかを興味津々で観察するのにキョロってしまう自身を押さえるのに精一杯。一人座っているときにはすっごく暗ぁい感じの青年なのに、メイドさんがやってきて話をするともう目尻が垂れていきなり元気よく話しているのも寂しいというか可愛いというか。いわゆる『コミュ障』というもので、普通の生活ではとても女の子に話しかけることはできないけれど、ここでは安心して話が出来るという感じなのだろうな、と思いながらじっと観察してしまう。




両隣は双方にお一人様の暗ぁい感じの青年。左側からプンと汗臭い匂いが漂よってきたのにはひるんだけれど、右側の多分に若いのだろうけれどちょっと『おっさんが』入った熊体型の青年は大丈夫そうだったので、もうどうしても我慢できずに話しかけてしまった。

「あの… お話伺っていいですか?」

そんな好奇心の固まりの私を怖がらずに普通に返事してくれたので安心した。彼の手元の認定証がゴールドだったので、今までにどのくらい来店したのか尋ねてみると「50回くらいかな」と応える。

彼はなんと兵庫県からやってきていて、出張のときもあるし私用のときもあるけれど、数日の滞在で10回くらい通ってしまうそう。ちなみに店に居られるのは一時間だけだから一度出てぶらついてから戻って来たり、そのまま列に並び直して再度入店したりするそうだ。彼はドリンクだけを頼んでいたけれど、好みのメイドと一緒にチェキで記念撮影もしていたしゲームをやりながら個人的な話をしていた。その会話を盗み聞きして、なるほどキャバクラに通うのと同じような感覚なんだろうなと思う。夜に限らないし酒も飲む必用もないし、まぁ安上がりに可愛い女の子を相手にする遊びを楽しむのにはちょうどいいかなという感じもする。彼は測量士という立派な専門職で日本全国出張が多くほとんど地元にいることはない。メイドカフェはここ一年くらいハマっているらしい。とりあえず、話をしてみれば普通に好感が持てる青年で『熊系』が好きな人だったら悪くない感じ。




オムライスやドリンクの泡の上にメイドがリクエストで好きな絵を描いてくれる。そして更に美味しくなるようにと愛を注ぐおまじないのかけ声をかけるのだけれど、「萌え萌え♪!」とか「まぜまぜ♫!」とかメイドの後について声を張り上げる人々を見るのは笑える。そして私の番がきて、なんとも照れくさいながらもやってみれば意外に楽しい。



 メイドさんが書いてくれた猫の絵




メイドさんたちは一生懸命サービスしている。従業員控え室では「あいつ、キモいんだよ~!やってらんね~よ!」とか多分に言ってるのだろうけれど、それでもお店ではキモいお客でもとにかく愛を持って優しく可愛らしい声で頑張って働いてるのを見ると、やっぱりそれなりにえらいなと感動してしまう。

私が30代くらいの頃は、過剰に飾り立て知性を感じさせない舌ったらずの声で話すギャルに嫌悪感を感じたものだった。それなのに今はそんな感情はまったく生まれず、それどころかほんわり『癒し』を感じたくらい。そしてそんな子たちに萌えるお兄さん達の気持ちもちょっぴり解るような気さえした。私もオバさんになったものだな、と思う。

一時間が経つと「お出かけの時間です」というお知らせが入る。会計を済ませると、メイドが「お嬢様のおでかけです~!!!」と叫び、みんなが「いってらっしゃいませ~!」と声を張り上げる。『お嬢様』と呼ばれるのは照れくさいけれど、やっぱりどことなく嬉しくなるのが本音。


  最後にご主人様認定証を作ってもらいました






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